**零れる涙**
「美味しい‼
この、目玉焼き絶品だね」


おばあちゃんの作る和食は、どれも美味しい。

普通の料理の筈である目玉焼きすら、味付けがいいのか、物凄く美味しい。

魚にしても、塩が効いてて美味しい。

「おばあちゃんの料理、美味しい‼
私、和食たくさん作れる様に勉強する‼
また、会えたらたくさん持って行くね‼」


「ああ、それは、嬉しいな」


その、食卓は………

明るかった。



こんな、楽しい食卓は初めてで、私は、幸せだった。



「おばあちゃん、またくるね!!」


荷物を持ち、おばあちゃんから貰った煮物の数々。

清子に食わせてあげてくれ、と
笑っていたおばあちゃん。


私は、進くんと、おばあちゃんの別れを惜しむ様に家を出た。

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