**零れる涙**
「進くん、やめてっ!!!!」


私が大声を出すと、ピクリと固まる進くんを見上げたら、泣きそうに顔を歪めてた。




えっーーーーー?

 進くんーーー?



「うるせえな、じゃあさもう俺に近づくなよ‼

なら、解放してやるよ」


乱暴な口調はそのままの彼の瞳は………


泣いていた様に見えた。



離した腕も、決して乱暴なんかじゃない。


むしろ、優しかった。



「ばいばい、カンナーーー」




嫌だ。


行かないで‼



乱暴されそうになった心配するなんて、変かな?


だけど、私はーーやっぱり君が好き。



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