**零れる涙**
「そっかあ、けどあの子が居たから今ここにカンナが生きてる。

感謝しないとね」


気のせい?

「お母さん、進くんに会ったの?」




まるで、知ってる見たいな話し方。

進くん、そんなこと一言も……



「いえ、ないわ………」



これ以上、聞いちゃいけない気がした。
「お母さん、お腹空いた」


逸らした話、ペコペコ、とお腹を叩く私。




私…………いつも見たいに出来てる?
笑えてる?

「じゃあ、カンナの好きなハンバーグね!!」


張り切る母親を見て、知らない振りをした。


ねえ、お母さん?



何も、関わってないよね?



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