同居人は恋愛対象外。
男は怖いんだからとあの後みっちり念を押された。
そういえば前に涼太くんがケーキを持ってきてくれた日、水田くんは私に似たような事を言っていた気が…。
でもあの時水田くんは私に興味なんてないって突き放した言い方をしていた。
大丈夫でしょ。
勝手に決めつけた私はりんごとゼリーの入ったスーパーの袋を片手に水田くんの部屋のインターホンを押す。
「はい。…何、また来たの。」
「だって早く治すためにはやっぱり栄養のある食べ物食べなきゃでしょ!」
昨日より顔色が良さそう。
冷たい態度もなんかいつも通りな感じ。
「はい、これみかんゼリーとりんごね。」
「ありがと。」
ありがとうと言ったのを聞いて部屋に入る。
「調子はどう?何かリクエストとかあるなら作るよ?」
「今日はかなり元気。リクエスト……あんたのハンバーグが食べたいかも。」
「了解しました。」
ベットに座った水田くんは少しだけ照れくさそうに答えた。
ハンバーグというリクエストにセーターの袖をグッと捲り上げ気合いを入れる。