同居人は恋愛対象外。


「俺のもんになればいいのに。」


耳元でぼそっと聞こえた一言にドキドキ胸がなる私は顔が熱くなっていくのを感じる。

急にそんなこと言うのは反則すぎるよ。


「照れてる?顔、赤い。」

「だって、変な事言うから…。」

「変な事ねぇ。……今の割と本気で言ってるんだけど。」


顔を横に向けるとそれに合わせて水田くんもこっちを見るからキスできちゃんじゃないかってくらいに顔が近い。


「このままキスしたら好きになってくれる?」


その言葉になんて返せばいいのかうまく言葉が出てこなくて黙り込む。


「やっぱりいまの嘘。……あんた、まだ幼馴染の事気になってるでしょ。」

「な、なんで?」


言われた通りもう好きじゃないと言えば嘘になる。


「この前、グラウンドで悲しそうな顔して幼馴染眺めてたところ見たから?」


あの時、見てたんだ。


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