同居人は恋愛対象外。
言い返そうと前を向いたけど、俯いた水田くんのお母さんから光るものが流れ落ちるのを見て口を紡いだ。
「私が全部悪いの…あの子を突き放すような態度ばかりとって。
自分のストレス全部ぶつけて…自業自得なの。
本当は笑顔が可愛くてとっても優しい子なの。」
水田くんが優しいのも笑顔が良いのも私は知ってる。
お母さんはこんなにも後悔してるんだ。
でも、簡単に傷ついた水田くんの心はきっと元に戻るのは難しい。
「だから最後にちゃんと謝らなきゃって思ったんだけど。
きっとバチが当たったんだわ。」
悲しそうに最後と言うお母さんに違和感を覚えた。
キレイな顔は以前よりも細くなってる…。
「もしかして、どこか悪いんですか?」
私の言葉に少し戸惑いを見せ、細く艶やかな唇が開いた。
「もうすぐね…死んじゃうの私…。」
重くのしかかるその言葉。
水田くんのお母さんは悲しく微笑む。