同居人は恋愛対象外。


「水田くん、ちょっと話したい事あるんだけど。」


次の日の昼休み、長谷川くんと仲良く話してる水田くんを呼び止める。


「どうした?」


暗い顔をした私を少し心配そうに見つめる水田くんはお母さんに似ていて昨日の事を思い出す。

思い出して胸がギュッとなる。


「なになに廉また告白か〜?
いいな〜」


長谷川くんは茶化すように言う。


「ちげぇよ。」


そうあしらうとそっと私の肩を取って教室の外に出る。

空き教室に入った私はそっと重たい口を開いた。


「お母さん…とは会わないの?」

「………なんで?前も言ったじゃん会いたくないって。」


私の口からお母さんが出てきて驚いたような顔をした。


「で、でも!お母さんは…会いたがってるよ?」

「何?あの人に会ったの?」

「うん、会ったよ?…お母さん水田くんに悪い事したって。謝りたいって言ってた。」

「今更謝ったって前みたいになれるわけないって。
話ってそれだけ?…俺戻るから。」


その声には怒りがこもっている。

空き教室から出ようとする水田くんに私は思わず言ってしまった。

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