同居人は恋愛対象外。


「ちょっと、大丈夫!?」


部屋のドアを叩いても返事はなかったけど、なぜか玄関は開いていて中に入れた。


「ねぇ、大丈夫?」


入った部屋は静かで暗くて少し怖い。


もしかして泥棒だったりする?


開けっ放しの玄関、暗く静かな部屋、どう考えたっておかしい。

入っちゃいけなかったようなそんな気持ちに襲われる。

リビングにさしかかったとき暗がりの中キラキラした物を見た。

でもその瞬間私の体は誰かに勢いよく引っ張られる。


「キャーーーー誰かーたすけ………んん。」


後ろから抱きしめられ口元に回された手で私の声は塞がれた。


「うるさい。静かにして。」


あれ…?この声

水田くんの声。


「ビックリした?」


暗闇に目が慣れてきて月明かりに照らされた水田くんはいたずらっ子のような笑みを浮かべている。


「え、なんで?」


水田くんは私から離れて部屋の明かりをつける。

明かりの戻った部屋には私と水田くんの2人だけで、特別な人なんて居なかった。

だから余計に頭の中はハテナだらけでパニック寸前。


< 132 / 139 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop