同居人は恋愛対象外。
「え、えっと怪我は?」
「怪我なんてしてないよ。ほら…」
そう言って両手を広げて見せる。
「じゃー大きな音は?」
「ちょっと……実験?」
そう言うと驚いて腰の抜けた私の目の前で中腰になって
「あんたが来てくれるの期待してた。」
そんなこと言って少し乱れた私の髪の毛をそっと撫でる。
「じゃあ、特別な人……って誰?」
水田くんは少し首を傾げて不思議そうに私の顔を見つめる。
「ま、前に可愛い女の子に特別な人と過ごすって言ってた。」
その言葉に少しの間を置いて閃いたような顔をした。
「特別な人って、あんたの事だけど。」
「…………え?だ、だって約束してなかったよね。」
「してなかったけどあんたに誘われるの待ってた。
え、誘いに来なかったのってそう言う理由?」
そう聞かれうんと大きく頷くと、水田くんは大きなため息を1つついた。
「よかった……。他のやつと約束したから何も言ってこないんだって思って諦めてた。
あと、俺が話しかけても避けられてたし。」
キッと私を軽く睨め付けるようにこっちを見るから思わず視線をそらす。