同居人は恋愛対象外。
「水田くん、もう大丈夫なの?お母さんの事。」
水田くんの部屋に来てどのくらい経ったか、
ふと棚の上のお母さんの写真を見つけ、聞いちゃダメな気はしたけどどうしても気になって聞いてみる。
「んー大丈夫って言ったら嘘になるかな。」
さっきまで笑顔で話をしていた水田くんの顔が少し曇り困り顔で微笑む。
その顔を見てやめておけば良かったと思ってももう遅い。
「母さんが居なくなって、みんなと話してる時はなんともないのに授業中とか、ここにいる時とか、1人なるとどうしてもボーッとして、
時々このまま死んだらどうなるんだろうって事も思ったりした。
……でもその度にあんたの笑顔が頭に浮かんで、死ねないって思えたんだ。」
衝撃の発言に思わず涙を浮かべる私に気がついたのか私の目をまっすぐ見つめてそう言う。
「よかった………水田くん……いなくなっちゃったら……うぅ…私、悲しい。」
ダメだ、堪えようと思っても我慢できない。
抑えきれなくて涙がポロポロと流れていく。