同居人は恋愛対象外。


「あら、しんちゃんじゃない。
ちょうど良かった!」


途方に暮れてる私は後から聞こえた声に振り返るとスーパーの袋をさげ、少しパーマのかかった髪の可愛らしい大家さんが立ってた。

あ、ちなみにしんちゃんと言うのは私の苗字深澤の深を音読みしたもの。

大家さんは変わったあだ名をつけたがる。

どう聞いたってしんちゃんなんてあの国民的アニメが連想されちゃって、男の子のイメージが強いんだけど…。

別に嫌がる理由もなくしんちゃんって呼ばれてる。


「あのね、今度お部屋工事しないとダメな子が居てね。
お部屋半年は使えなくて、でもその子この近くに知り合いいないみたいなのよ。

それでこのアパートの人で半年その子と一緒に過ごしてくれる人探してるんだけど…

他のお部屋の人は夫婦でいたり同棲してたりで断られちゃってね。」


つまり私が最後の頼みだって事…。

クリクリした目を少し潤ませて頼んでくる大家さんに少し可愛いなんて思ってしまう自分。


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