同居人は恋愛対象外。


「ったく、なんで俺まで。」


私の隣に立つ水田くんはきっと私を睨みつけるように言った。

廊下で2人…。

何この気まづい感じ。

聞こえてくるのは開いた窓から聞こえるグラウンドで行われる体育の声。

あ、サッカーやってる。


「田辺!!」


涼太くんがいるんじゃないかとふと窓の外を見ると涼太くんを呼ぶ声。

チームメイトからパスをもらったのはやっぱり涼太くんで思わず見つめてしまう。

体育の授業だからサッカー部の練習の時よりもいっそう際立つテクニックにすごいと声が漏れた。

何人も抜いてシュートを決めた涼太くんにチームメイトが肩をくんでる。

そんな光景に思わず頬が緩んだ。


「なにニヤついてんの?」


気づけば私の隣で同じように外を眺める水田くんが隣にいた。


「べ、別にニヤついてなんかないよ。」


慌ててグラウンドに背を向けてそっぽを向く。


「…幼なじみか。……ふーん上手いじゃんあいつ。」


そんな水田くんのぶっきらぼうな言い方にカチンときた。


「サッカーやってもないのに涼太くんに偉そうに言わないでよね!」

「ねぇ、あんたはあいつのどこに惚れてんの?」


完全無視じゃん…。

意味わかんない。


「別に、何だっていいでしょ。」

「まぁ別にいいけど。興味ないし。」


なっ!?……ほんっと失礼。

一言余計すぎるんだよこの人。


私は水田くんから少し距離を置いた所に移動し、再びグラウンドに目を落とした。


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