同居人は恋愛対象外。


「なになに!?廉のお弁当ちょー美味しそうじゃん!」


お昼休み、水田くんの席から聞こえてくる長谷川くんの声。

凛ちゃんと水田くんの事もあって私たちはちょっと離れた凛ちゃんの席にいるんだけど、それでもはっきり聞こえてくる長谷川くんのパワフルな声。

水田くんが変な事言わないか思わず聞き耳をたててしまう。


「ハンバーグ美味そう!もらってもいい?」

「だめ、俺の好物とんな。」

「廉くんのケチ。」


そう言って水田くんが断ったのを聞いて昨日ハンバーグ食べる時目輝いてたな〜なんて思ってしまった。


「女みたいな言い方したってあげないから。」

「さすが冷徹王子女にも容赦ないか。」


なんて言って長谷川くんは大きな声で笑ってた。


「でもさ、廉が弁当なんて珍しくない?一人暮らしのはずじゃん、しかもめんどくさがり屋だし…誰が作ってんの?」


ひゃー長谷川くんするどい…。

お願いだから変な事言わないで!


「…んー……近所のおばさん?」


「っ!?ゲホゲホっ……」


んな!?お、おば…オバサン!?


「ちょっと真奈大丈夫?」


むせ込む私の背中をポンポンと叩いて心配してくれる凛ちゃん。

よかった、今の会話凛ちゃんに聞こえてなくて。

聞こえてたら今のタイミングで私がむせ込んだら完璧怪しいもんね。

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