同居人は恋愛対象外。


「すげぇ美味かったなこのケーキ!」


部屋に入りチーズケーキを選んだ涼太くんはお皿にフォークを置いて頬を緩めた。

私はフルーツタルトとショートケーキからショートケーキを選んで食べた。


そういえば水田くん隠れてよねって言って放置しちゃったけどどこ隠れたんだろ?

でも部屋からは出てないしどっかには居るよね…。


「なんか、こうやって話すの久しぶりだよな。
悩み事とかなんにもない?困ってる事あるなら聞くよ?」

「全然大丈夫だよ!みんな優しいしそれに凛ちゃんだって同じクラスだもん」


全然大丈夫とか大嘘だ〜…。

困りに困ってる。

今だって今までにかいたことない量の冷や汗だし。


「そっか、なら俺は安心だよ。
高校までずっと近くに居たのにさ最近会える時間も取れなくて、それ承知の上でサッカーやっといて何言ってんだって感じだけど。」

「大丈夫だよ!会えなくたって今でも涼太くんのこと近くで見られるだけで私は幸せだもん。」

「真奈…ありがとな。」


そう言うとそっと私の頭を優しく撫でてくれた。

久しぶりのなでなでだ…。

本当はもっともっと涼太くんのそばに居たい。


私の頭から離れてく涼太くんの手を見て胸がなんとなくキュッとなった気がした。


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