同居人は恋愛対象外。


この日1日で知った事といえば凛ちゃんから聞いたお隣さん情報。

隣の人の名前は水田廉。

一人暮らしで、彼女なし。

かっこいいと噂され既にファンクラブみたいなものまでできてるとか…。

かっこいいのに彼女ができない理由は、冷たく近寄り難いオーラが出ているかららしく…
ファンの中でお隣さんは冷徹王子だなんて呼ばれてるらしい。

ちなみに凛ちゃんもファンのうちの1人らしく、告白しようかななんて言ってたけどきっと凛ちゃんならどんな男の子だってイチコロ。

だって、中学の時からスタイル抜群で透き通った肌にスッピンでもハイレベルの顔立ち、加えて男女ともに優しくて明るい凛ちゃん。

その凛ちゃんが高校に入ってメイクして、髪の毛も可愛くゆる巻きしてて…絶対惚れない男子いないでしょ!

なんなら私が惚れちゃいそうだったもん。


「真奈、ごめん遅くなった。」


校門で今日知った事を振り返っているとグラウンドの方から涼太くんが走ってくる。


「全然大丈夫だよ!」


中学の学ランと違ってブレザーの涼太くんは新鮮。

なんか中学校の入学式思い出すな〜。


「なんか俺おかしいか?」

「ううん。ブレザー新鮮だなーて思っちゃって。」


「真奈それ中学の入学式も同じ事言ってたよな。」


え…私の独り言みたいな事覚えてくれてたんだ。

たったそれだけでも嬉しくニヤけた顔を必死で抑えた。

涼太くんとこうして並んで登下校するのは幼稚園の時からずっとしてた事だけど、

今は夕方こうやって肩を並べて歩くのって今までと違って"青春してるな"なんて勝手に思っちゃう。

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