同居人は恋愛対象外。


「……これをこうして……はい、完成!
ついでに髪の毛も巻いてみたから余計に大人っぽくなれたんじゃない?

うん!ばっちり。絶対にメイクした方が可愛いよ。
ほら見てみ?」


私の前に座っていた凛ちゃんは納得したようにうんうんと頷くと、カバンの中から鏡を取り出し私に向けた。

そこには化粧っ気の無い童顔の女の子はいなくて、
パッチリの目プルプルの唇ゆるふわに巻いた髪の毛はワックスで立体感出てて…


「すごい…こんなメイク初めて。
でも私にメイクできるかな。」

「練習すれば絶対にできるよ。
ほら、涼太くんの所行く予定にしてるんじゃないの?早く行ってきな!」


そう言って私の背中をポンと叩いて送り出してくれた。


「うん!私行ってくるね!」


なんか、いつもに増して勇気が湧いてくる気がした。

少しいつもと違うだけで心が踊ってるみたいに軽くなる。


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