同居人は恋愛対象外。


水田くんが私の事…


「待ちくたびれた…水着買うの遅すぎ。」


…ないな、絶対的に無い!


さっき言われた言葉がフワフワと浮く頭を左右に振って吹き飛ばした。


「ちょっと店員さんと話してたら遅くなっちゃった、帰ろっか。」


「それ、持つよ案外大きいし。」


私が腕にさげていた水着の入った袋をすっと取り何事も無かったように前を歩きはじめた。


「いいよ、それくらい持てるし」


そう断って水田くんの持つ袋を取ろうとした。


「いいよ、あんた自分のカバンも大きいじゃん。
俺手ぶらだし持ってる。」


手を払いのけられた私は渋々水田くんの横を歩いた。

少し歩く度に周囲の人は水田くんに注目する。

容姿端麗、背も高くてスタイルもいい完璧なルックス。

そりゃ女子の注目を集めるに決まってる。

でも何より嫌なのはその後に向けられる私への視線。

わかってるよ私みたいな平凡女子と水田くんの組合せがおかしいってことくらい…

って付き合ってるじゃないんだから気にすることないんだけど。



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