同居人は恋愛対象外。
「………廉?」
背後からしたその声に隣を歩いていた水田くんの足が止まる。
私が後ろを見ると紺色のキレイなワンピースに身を包んだ長い髪の毛をウェーブ巻にし、細すぎるくらいのスタイルのキレイな女の人が立っていた。
私と目が合ったその人は少しの間じっと私の目を見て少し会釈をする。
「廉、彼女できたの?」
「……行こ。」
女の人の問いかけなんて無視して水田くんは振り向くことなく私の腕を掴むと早歩きで歩き始めた。
「待って!少しだけ…少しだけ話がしたいの!」
女の人は追いかけようと手を伸ばす。
けどそんな声も聞こえないみたいで水田くんは突き進んでいく。