同居人は恋愛対象外。


私の手を引くその手は少し力が入っている。


「ちょっと……ねぇ!待ってよ!」


少し行ったところで私は水田くんの手を振りほどいた。

後を振り向くけどもうそこにはあの人の姿はなくて、夏休みで賑わう街並みが目の前に広がる。


「いいの?さっきの人…知り合いじゃないの?」

「いいじゃん別に。」


そう言って私と目も合わせないまま前を歩いていく。

私には何が何だかさっぱりだった。

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