同居人は恋愛対象外。


「ねぇ、ちょっとだけこっち来て。」


家に帰るとずっと無口だった水田くんからそんな言葉が漏れる。

言われるままにソファの前に座る水田くんの元に行くとふわっと引き寄せられた。

水田くんは私を後ろから抱きしめてる状態。

そのまま私の肩におでこをのせる。


「ね、ねぇどうしたの?
あの人と会ってからおかしいよ?」


その言葉に水田くんはさらに私をギュッと抱きしめる。


「……ちょっと慰めて。」


普段の水田くんからは想像もできないほど弱々しい声が耳元で聞こえる。


「やっぱりあの女の人と何かあったの?」

「………うん。…」


それだけ言うと水田くんは黙り込んでしまった。

水田くんの足の間にいる私はおかしいのはわかってるけど初めての状況に少しドキドキしている。


なんで私水田くんとこんなことになってるんだろう。


でも弱ってる水田くんを拒否することなんてできなくてこの体勢でじっとしていた。



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