同居人は恋愛対象外。


「落ち着いた?」

「……うん、だいぶ落ち着いた。ごめん急に。」


それだけ言って私から離れた水田くんはまだ少し暗い顔のまま俯いてる。


「私なんかで良かったら嫌かもしれないけど話聞くよ?」


その言葉にコクンと頷いて見せると少しの間黙り込んでから口を開いた。


「さっきの女の人…あれ、俺の母親。」

「そうだったんだ。」


あのキレイな顔といいスタイルといい言われてみればなんとなくわかる気がした。


「でも……顔も見たくない…。」

「なんで?優しそうだったのに。」

「あれは外の顔……俺小さい頃…あの人に……捨てられたんだ。」


絞り出すようなその声に私は思わず言葉を失う。

その後、少し緊張がほぐれたのかあった事私に話してくれた。


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