同居人は恋愛対象外。


「お母さん?」


父さんのいなくなったリビングには母さんがすすり泣く声だけが響く。

俺はソファの側に座り込み泣いている母さんに話しかけた。


「お父さん、どこいったの?」

「……パパはね……もう帰ってこないの……ごめんね、ごめん。」


母さんもただひたすら俺に謝るだけだった。

小さいながらにも父さんとはもう会えないんだって理解できた。


それから専業主婦だった母さんは仕事を始めて、朝から夜遅くまで帰ってこなかった。


今までなら用意されてたご飯は急になくなって…


明るくて楽しかった家が暗く埃っぽくなっていった。

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