同居人は恋愛対象外。
そんな生活が嫌で、前みたいに母さんと笑ってたくて、子供なりに何ができるか考えた。
唯一の思い出といえば小4の頃もう一度母さんの笑顔見たさにご飯を作った時、笑ってはくれなかったけど「ありがとう」と言ってくれたこと。
「母さん!今日ね合唱コンクールで俺のクラス最優秀賞だったんだ!」
中学にあがり合唱コンクールで賞をとった時家に帰ってお母さんにその事を言ってみた。
褒めてくれるかなって期待したけど返ってきた言葉といえば
「いいね、あんたは呑気で、ヘラヘラ笑って1日過ごせば良いだけだしね。」
そんな冷たい言葉。
「そんな事思ってないよ?母さんが大変な事だって知ってる、でも俺はただ前みたいに仲良くしたいだけ。」
「……さい、うるさい!
あんたが好きなのは昔のお母さんでしょ!?
今と昔比べんな!
そもそもあんたのその笑顔見るのもうざい、ヘラヘラ笑わないでくれる!?」
ショックだった。
昔"大好き"と言ってくれた笑顔を完全に否定され、返す言葉も出なかった。
次の日、施設に入れられた俺は母さんと会うこともなくなって、笑顔すら作ることもやめた。