同居人は恋愛対象外。
「辛いのに話してくれてありがとう。」
笑顔を向ける。
「…急に、あんたになら話してもいいって思った。
あんたの言う通り相談したら少しだけ気が楽になったよ。」
そう言って少し微笑んだ水田くんは人差し指で私の頬を流れる涙を拭き取った。
「でもいいの?プロポーズみたいなの受けちゃったけど?」
水田くんはさっきまでの落ち込んだ様子から一転して私をいじるような声でそう言った。
その瞬間にさっきとっさに言った言葉が頭をよぎって恥ずかしくなる。
「な、なしなし!さっきのは思わず言っちゃっただけだから!」
「わかってる、あんた幼馴染に片思い中だもんな。」
そう言って私に笑顔を向けてくれる。
片想いは当たってるけどほかの人に言われると照れくさくてさっきよりも顔が熱くなるのがわかった。
「なんか、俺あんたの恋邪魔してる気がしてきた。出て行ったほうがいいかな?」
照れた私を見て水田くんは申し訳なさそうにそう言う。
「……たしかにそうかも……。」
前涼太くんが来てくれた時の事とか涼太くんに同居の事必死で隠してた事を思い出して思わず言ってしまった。
「うわ、何それちょっとムカつく…。」
拗ねた表情を浮かべるとふいっとそっぽ向いてしまった。