同居人は恋愛対象外。


私が水田くんを助けるために言った言葉なはずなのに、逆に救われた気分になる。


「うん。来てくれてありがとね。

水田くんが居てくれてよかった。」


私の感謝の言葉におうと短く答えると静かに花火を眺めていた。

静かな空気がまた戻ってくる。

でも今度は隣に水田くんが居てくれるからさっきよりも1人が怖くない。


「ここに来たって事はなんで私が落ち込んでるのかわかってるよね?」

「だいたいだけど…なんとなく。」

「だよね。……私ダサいよね、ついうかれちゃってさ。」

「俺にはかっこよくみえるけど?

俺は母さんと話す勇気も出ないのにあんたは自分から幼なじみに今日花火見ようって言えてた。

勇気出すってそんな簡単な事じゃないと思う。

だからださくないし、うかれてもない。」


少し遠慮がちに手を伸ばすと私の肩をそっと自分の方に引き寄せた。

9月に差し掛かったばかりの夜は少し肌寒くて、冷たくなった私を水田くんが暖めてくれる。

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