同居人は恋愛対象外。
…と宣言したものの…聞くってどうすればいいの?
私の頭の中はさっきからずっとこの事ばっかりで生物の授業なんて頭に入ってくるわけもない。
隣に目をやると水田くんはいつもみたいに寝て……ない!?
いつもみたく机に突っ伏していたから寝てるのかと思ったらばっちり目が合う。
勢いよく顔をそらしてしまった。
め、メモに書いて聞こう。それなら緊張も少しはしないよね。
"昨日、私にキスした?急にごめんね。"
ノートの切れ端を折って小さくしてから水田くんの席に置いた。
ちょっとストレートに聞きすぎかな…。
自分の席に置かれた紙切れに気づいた水田くんはそっとそれに手を伸ばす。
どんな反応するのか気になったけど紙切れを開いていくたびにドキドキ心臓が飛び跳ねて、俯いてしまった。
少しして俯いた視界に1枚の紙切れが目に入った。
返事……きた。
ゆっくりとその紙を開くと、初めて見た水田くんの字で
"うん、キスした。"
と書かれていた。
思わず振り向くと水田くんは頬杖ついて窓の外を眺めていた。
水田くん、今どんな顔してるんだろ。