同居人は恋愛対象外。
「そうだ…大した物じゃないけど。これ、受け取って。一応半年お世話になったお礼」
重そうな体を起こすとベッドの横から白色の小さな紙袋を取り出し、そのまま私に渡した。
のぞいた紙袋の中には正方形の箱が1つ入っている、そこに書かれたブランド名はファッションに疎い私でさえ知ってるくらいの有名店。
手のひら分の大きさもない小さな箱を開けるとピンクゴールドの小さなチェーンの先にハートが付いていて白くキラキラと輝いていた。
「いいの?こんなの。」
「うん、本当はこんなのじゃ足りないくらい世話になったから。
あっち向いて?」
私の手元にあったネックレスをひょいっと取り上げると、窓側を指差す。
首筋にひんやりとした感覚と同時に胸元にはさっきまだ持っていたネックレスが輝いていた。
「キレイ…。」
「よかった。」
振り向いた先には目を輝かせる私を楽しそうに眺める水田くんの姿があった。
水田くんが笑顔を見せてくれるようになってだいぶ経つけどやっぱり水田くんの笑顔は少しドキっと胸が鳴る。