♥バレンタインの奇跡♥
と、その時。

「わぁー見て見てー、色々あるー」

「おいそんな慌てんなって」

聞き覚えのある声にドキリと胸が鳴る。


「ねえ雅人~どれ作ってほしい~?これ?それとも、これ?」

っ、やっぱり!
雅人と浮気相手の女だ。


前見かけた時、もしかしたらまた来るかもって思ってたけど…。

最悪…。


「どれでもいいぜ」

「えー!それ一番困るやつー」

「お前が作ってくれたものならなんでも嬉しいってこと」

「ふふ、知ってる~」

優しい手付きで、女の頭を撫でる雅人。



グサッと何かが胸に刺さる気がした。

痛い…痛い…。



ぐっと唇を噛み締める。


嫌だ。見たくない。
まだこんなに心が動揺するなんて…。

悔しさと虚しさ、それに哀しみ。
色んな感情が一気に押し寄せる。

弱い心が暴れだして、負けそうになる。


早く動じなくなりたい。
早く…。
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