♥バレンタインの奇跡♥
どうしようか思考を巡らせているうちに、二人がレジに向かい歩いてくる姿が見えた。


っ!


もう、逃げられない…。

二人が一歩、また一歩こちらに近付いてくる。


どうしよう…どうしよう!


鼓動がどんどん速くなる。



私は咄嗟に下を向いた。

なるべく顔を見られないように、気付かれないように…。


お願い…バレないで。


でも、やっぱり…当たり前のように、そんな願いはアッサリと打ち砕かれる。


ついに二人がレジの目の前まで来て、かごを置く。


と、次の瞬間…

「あれ」

雅人の声に、ビクリと肩が震える。


私の顔をしげしげと覗きこむ雅人。


あぁ…もうダメだ。
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