♥バレンタインの奇跡♥
「……ぷっ、ただのババアの負け惜しみじゃん。ダサっ」

見下すように、ケバい厚化粧女が笑う。



ババア…?
負け惜しみ…??
ダサっ…???


そんな女の言葉を私は完璧無視した。



そして、なんとも言えない空気のまま会計が終わった。

「ありがとうございました」

ニッコリと笑顔を見せながら、買い物袋を女に向けて差し出す。


プイッとそっぽを向いて女が買い物袋を受けとろうとする。

「?…ちょっと、離してよ」

ニコニコしながら、私は買い物袋を離さなかった。強く握りしめ、絶対に離さない。


「っ、キモいババア離せよ!」

「…さっきからババア、ババアってうっせんだよ。黙って聞いてりゃいい気になりやがって、ふざけんな!」

私はぐいっと買い物袋を引っ張り、その袋の中からある物を取り出した。

そして素早く封を開ける。


「ちょっと!勝手に何するのよ!」

うるせー!黙れ厚化粧!

これでもくらえっ!!



“彩乃はチョコチップを投げつけた!”

「きゃあ!」

クリティカルヒット!

見事女の鼻穴に命中!やったぜ!
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