♥バレンタインの奇跡♥
マンションを飛び出すと、私はただひたすらに走った。どこに向かっているのかさえもわからない。

とにかくさっきの出来事を忘れたくて、消し去りたくて、振り払うかのように、ただただ全速力で走り続けた。



ーーー…
ーー…

「はあ…はあ…」

息が苦しい…。
ダメだ。もっと走りたかったのに、もうへばってるし…。


公園に辿り着いた私は、とりあえず自販機でジュースを買うことにした。

近くのベンチに座り、ジュースをガブガブ飲む。


はあ…。

そういえばここの公園、雅人とデートで来たことあったっけ…。

こんな時でも、楽しかった日々の思い出を思いだしてしまうなんて…嫌になる。



……………。



ただぼんやりと、流れる雲を見つめる。
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