♥バレンタインの奇跡♥
「彩乃ちゃん、おかえり~。なんだか凄いことになっちゃってたわね~。うふふ」

楽しそうに話しかけてくる永久子さん。
うふふじゃないよ!
永久子さんが匿ってくれさえすればあんなことにはならなかったのに…!

途中から騒ぎに気付いたらしいが、とてもじゃないけど近付ける雰囲気じゃなかったみたい。
まぁ、あれは近付けないとは思うけど…。


「でも、良かったんじゃない?」

「何がですか!」

ヘラっと笑う永久子さんにイラっとして、つい口調が強まる。


「だって、結人くんと二人きりで残業できることになったじゃない」

そう言うと、パチンといつもの永久子ウィンクをしてみせた。


っ…。


そう、なんだよね。

二人きり、なんだよね…。

急に緊張してきた…。
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