♥バレンタインの奇跡♥
そして…あっという間に仕事終わりの時間。


「それじゃ、お先するわね。彩乃ちゃん、結人くんファイト!」

楽しそーに、またもや私にウィンクしながら永久子さんが帰ってゆく。


そして、桃子も私をギロリと思いっきり睨み、結人くんを見つめ名残惜しそうに帰っていった。




………………。




みんな、帰った…!



帰ってしまった…!



いよいよ二人きりの夜が始まる。

“二人きり”この響きだけでもうドキドキ…。


まさかこんな展開になるとは…。


シーンとしてる売り場。
いつもの活気が全くないこの空間に、なんだか不思議な感覚になる。
まるで違う場所みたいだ。


「じゃあ始めましょうか」

「う、うん」

ヤバイ、なんか緊張する…。


「結人くん…ごめんね。私のせいで、残業することになっちゃって」

「気にしないでください。僕が勝手に仕事抜け出しただけなので、彩乃さんのせいじゃないです」

相変わらず結人くんは優しいな…。
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