♥バレンタインの奇跡♥
あまりにも歩くのが遅いせいか、大通りに出る頃にはすっかり夜になっていて、街はイルミネーション、クリスマス一色。

昼間の浮かれていた私はもう遠い過去…。

クリスマスソングが流れる中、とぼとぼと歩く私の横を笑顔のカップルが何組も通り過ぎる。


あはは…。
みんな楽しそうだな。
あは、あはは…。

ふと立ち止まり空を見上げる。
雪だ…。
願い通り、ホワイトクリスマスになった。

広げた手のひらに落ちた雪が一瞬で溶けて水になる。



…何がホワイトクリスマスだ!

手のひらをギュッと握ると、私はまた歩き出した。


そしてそのまま曲がり角を曲がる。

そこで目に入ったのは大きなクリスマスツリーだった。
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