♥バレンタインの奇跡♥
なんて思っていたのに…。


それは、無事仕事が終わり、帰り支度を始めていた時のこと。

「彩乃ちゃんお疲れ様。どうにか仕事こなせたわね」

「永久子さんもお疲れ様です!はいっ!仕事は楽勝でしたっ」

ふふふ。なんてったって今の私は無敵モード。怖いものなど何もないのだ。ふふふ。


と、結人くんと桃子の姿が目に入る。
結人くんにもお疲れ様って言わないと。
それと、ついでに桃子にも。

そう思い近付こうとすると、二人の会話が耳に入ってきた。


「結人せんぱぁーい。実は桃子、悩みがあって…ちょっと相談にのってもらいたいんですけど、この後時間ありますか?」

チラチラとこちらを見ながら話す桃子。
な、何よ…何こっち見てんのよ。
動けなくなる私。


「うん、いいよ」

「ほんとですかー♪やったぁ~!じゃあ行きましょ行きましょ♪ケーキ食べながらがいいなぁー☆」

ふふん、みたいな顔で私を見ると、桃子は結人くんを引っ張って行ってしまった。

恐らく、フードコートへ向かった模様。



ポツンと立ち尽くすしかない私。

えっえっ…何これ。

はあぁー?
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