♥バレンタインの奇跡♥
バタバタと階段を駆け降りる。
すると、お母の姿が目に入った。


「ねぇ、お母!昨日私どうやって帰ってきたか知ってる?」

「昨日?あぁー、あんたヤバかったわよー」

「ヤバかったって…何が!?」

「あの子ってあんたの新しい彼氏なの?」

「は!?」

何…彼氏って、あの子って…。


「だからぁ、あんたのことおんぶして連れて帰って来てくれた男の子よー」


…!!!


「あんた、途中まではちゃんと歩いてたらしいんだけど、途中でいきなり寝ちゃったらしいじゃない?」


嘘……。

あれは、夢じゃなかったってこと!?


「重いあんたをワザワザおぶって来てくれるなんて、いい子ねー。凄く礼儀正しかったし、素敵な子じゃない」

そう、結人くんはめちゃくちゃ素敵な子なのよお母様…。



夢だと思ったら、夢じゃなかった…!

あの心地よさも安心感も、全て現実だったんだ。

じーん…。






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