♥バレンタインの奇跡♥
「えへへ♪来ちゃいましたっ」

息を弾ませ、頬を桃色に染め恥ずかしそうに話すこのお方は…


紛れもなく、桃子だ。


…どうして?なんで?


なんでなのーーー!?!?!?


もう頭はパニック状態。


「実は、結人先輩に用事があって…ちょっと時間いいですか?」

モジモジしながら話す桃子。


「いいけど…」

「わーい☆行きましょ行きましょ♪」

そう言いながら、結人くんの背中を押す。

さっきまで恥ずかしそうにしてると思ったら、うってかわってニヤリとこちらを見る桃子。

モジモジも演技だって知ってますからー!



くっ…やられた。

もう…ダメだ。

だって、ドラマではこんな展開なかった。

ライバルの女なんて現れなかったよ。
邪魔されてなかったよ…。


やっぱり、ドラマと同じように…なんて、あり得ないよね。

これが現実…。


ゲームオーバー。

あは……あははははははは…!


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