♥バレンタインの奇跡♥
「野川さん」

「はっ、はいっ!」

きゃっ!
呼び止められたっ。

思わず背筋がシャキーン。
とっても良い姿勢で立っている。

…っ。

大きく息を吸って吐く。
ドキドキしながら、私はゆっくりと振り返った。


「な、なにかな?ゆい、じゃなくって…藤岡くん」

本当は結人くんって呼びたいけど…呼べずに名字呼びなのです。
だってほら…結人くんも私のこと野川さんって名字で呼んでるし。
名字でも全然嬉しいのだけどねっ…!


「偶然ですね」

「そ、そうだね!何回も鉢合わせしちゃって!あはは…藤岡くんは、何を買いにきたの?」

「ちょっとシャーペンを買いに。野川さんは…?」

そう言いながら、結人くんの視線は私の持つカゴへと向く。

…っ。
なんか恥ずかしいなあ!
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