だったら俺にすれば?~オレ様御曹司と契約結婚~
このままでは両親と姉に、見合いを押し切られてしまうのも時間の問題だ。
「嫌だって思うのは、わがままなのかな……」
そもそも平凡で、地味目の自分に、行動もせずに、素敵な恋人ができると思っていない。だからいっそ、信頼している家族が選んだ見合い相手なら、それなりに幸せになれると、割り切ったほうがいいかもしれない。
だが玲奈は――このまま将来を、自分で選ばないままでいいのかと、不安になったのだ。
過去、習いごとや進路、就職に至るまで、家族に言われるがまま、なんとなくその道を歩んできた。だからこそ、せめて自分の結婚相手くらい、自分で選びたかった。
そこで、つい売り言葉に買い言葉で、『近いうちに、将来を誓い合った恋人を、みんなに紹介するからね!』と、豪語してしまった。
これが間違いだったのだが……。
そんなこんなで、春からすでに十五回の合コンを繰り返している。結果はご覧の通り。しょっぱい結果だ。
「とりあえず戻る前に謝っておこう……うまくできなくて、ごめんね、と……」
スマホから、今回合コンに誘ってくれた、女子大時代の友人へメッセージを送ると、【男は星の数ほどいるし気にしなくていいよ】と返ってきた。