王子は冒険者になる!
*
アレッサンド様は楽しそうに 昔の話を教えてくれた。
「えぇとね。
フランが3歳ぐらいのとき 誘拐されそうになったんだよね。
母についていた侍女が実行犯だったんだけど
実家の子爵家が悪徳金融にそそのかされてたらしいけど、
いざ フランと対面したときに、大泣きしてなつかないし。」
別件で逮捕されて
結局 実家ともども罰せられている。
「フランの魔力を勝手に吸い取ろうとしていた
貴族は フランに逆に魔力がほしいならどうぞ?
とほほ笑まれて しっぽ巻いて帰っていくし。」
「・・・あ、あぁ。
なんか、分かります。解る気がします。」
「そうだなぁ。8歳の時の侍女が 幼いフランを丸め込んで
王である父にお抱えの商人の謁見を求めようとしたときは、
「ちゃんと会える人は 会えますよ?」と言って微笑んでいたし。」
そ、それは 純粋な意見すぎて
嫌味にもとらえられるなぁ。
正論すぎて 耳が痛いだろうな。
「9歳ぐらいに一緒に学んでいた側近候補は
フランが一緒にお風呂でも入ろうといって、入ったら
親からの虐待がわかってさ、
今はちゃんと保護されてる。」
そうなんだ。だからフラン様に今まで側近がいなかったのか。
なんで・・・一緒にお風呂にとか・・・
フラン様、様子がおかしいのに気が付いて・・た?
「あとは、10歳ぐらいのとき
護衛騎士がフランの魔力抽出をたくらんだ時は
騎士に「僕に忠誠を誓わなくても国には誓うよね?」と言って
揺さぶられて 騎士がそのまま逮捕だな。」
あ、それは、知ってます。
大騒動だったなぁ。
「城の王族の近くの護衛騎士が裏切った。」
と 言われて、10歳だった僕もお父様から改めて
貴族の心得。みたいなのをみっちり 教え込まれたから・・・。
僕の家の騎士たちも 再度身元を調査して
再度 訓練を強化したはずだ。兄様たちと、お父様がぼやいていたから覚えている。
「まぁ、細かいことを挙げるともっとあるけどな。
フランが嫌がったスープを調べると 毒混入。とか。」
「す、すごいですね。
なんというか、危機回避の加護でもあるんでしょうか?」
アレッサンド様は ふふふ、と楽しそうに笑った。
「そうだね。光の魔力というのもあるんだろうけどね。
害になるのは、意識してもしなくても、寄せ付けない・・・
それに、ニコニコと笑っているけど フランは『策士』だよ。」
「そ、そうでしょうか。
まだ従者としては少ししか共にいなかったので・・・わかりかねます。
あの、その。笑顔がウソだとは思いませんが
フラン様は『素直』な方だと・・思います。」
僕を、置いて行ったのは・・・僕に何も伝えなかったのは、
素直に僕が『いらなかった』からだろうな。
言ってて、ちょっと悲しくなってきた。
アレッサンド様は困ったように笑った。
「フランの夢って わかる?」
「え?夢、ですか?」
なんだろうか。
アレッサンド様を支えること?
もしかして、王に、なること?
アレッサンド様は、くすくす わらって
「なぁ、ラディ君。
今度 フランが帰ってきたら『友達』になってやってよ。」
と、フラン様とよく似た笑顔を浮かべた。
アレッサンド様は楽しそうに 昔の話を教えてくれた。
「えぇとね。
フランが3歳ぐらいのとき 誘拐されそうになったんだよね。
母についていた侍女が実行犯だったんだけど
実家の子爵家が悪徳金融にそそのかされてたらしいけど、
いざ フランと対面したときに、大泣きしてなつかないし。」
別件で逮捕されて
結局 実家ともども罰せられている。
「フランの魔力を勝手に吸い取ろうとしていた
貴族は フランに逆に魔力がほしいならどうぞ?
とほほ笑まれて しっぽ巻いて帰っていくし。」
「・・・あ、あぁ。
なんか、分かります。解る気がします。」
「そうだなぁ。8歳の時の侍女が 幼いフランを丸め込んで
王である父にお抱えの商人の謁見を求めようとしたときは、
「ちゃんと会える人は 会えますよ?」と言って微笑んでいたし。」
そ、それは 純粋な意見すぎて
嫌味にもとらえられるなぁ。
正論すぎて 耳が痛いだろうな。
「9歳ぐらいに一緒に学んでいた側近候補は
フランが一緒にお風呂でも入ろうといって、入ったら
親からの虐待がわかってさ、
今はちゃんと保護されてる。」
そうなんだ。だからフラン様に今まで側近がいなかったのか。
なんで・・・一緒にお風呂にとか・・・
フラン様、様子がおかしいのに気が付いて・・た?
「あとは、10歳ぐらいのとき
護衛騎士がフランの魔力抽出をたくらんだ時は
騎士に「僕に忠誠を誓わなくても国には誓うよね?」と言って
揺さぶられて 騎士がそのまま逮捕だな。」
あ、それは、知ってます。
大騒動だったなぁ。
「城の王族の近くの護衛騎士が裏切った。」
と 言われて、10歳だった僕もお父様から改めて
貴族の心得。みたいなのをみっちり 教え込まれたから・・・。
僕の家の騎士たちも 再度身元を調査して
再度 訓練を強化したはずだ。兄様たちと、お父様がぼやいていたから覚えている。
「まぁ、細かいことを挙げるともっとあるけどな。
フランが嫌がったスープを調べると 毒混入。とか。」
「す、すごいですね。
なんというか、危機回避の加護でもあるんでしょうか?」
アレッサンド様は ふふふ、と楽しそうに笑った。
「そうだね。光の魔力というのもあるんだろうけどね。
害になるのは、意識してもしなくても、寄せ付けない・・・
それに、ニコニコと笑っているけど フランは『策士』だよ。」
「そ、そうでしょうか。
まだ従者としては少ししか共にいなかったので・・・わかりかねます。
あの、その。笑顔がウソだとは思いませんが
フラン様は『素直』な方だと・・思います。」
僕を、置いて行ったのは・・・僕に何も伝えなかったのは、
素直に僕が『いらなかった』からだろうな。
言ってて、ちょっと悲しくなってきた。
アレッサンド様は困ったように笑った。
「フランの夢って わかる?」
「え?夢、ですか?」
なんだろうか。
アレッサンド様を支えること?
もしかして、王に、なること?
アレッサンド様は、くすくす わらって
「なぁ、ラディ君。
今度 フランが帰ってきたら『友達』になってやってよ。」
と、フラン様とよく似た笑顔を浮かべた。