王子は冒険者になる!
部屋に戻ると、
着替えもそこそこに
一人になった。
もちろん、警備も部屋の前に控えてもらって
部屋には・・・一人だ。
改めて、
俺自身を見る。
手が・・・小さいな。
鏡を見る。
見慣れた小さな男の子。
金色にも白にも見える不思議な髪の毛と
わりと整った顔立ち。
にこり、と笑うと かわいいじゃん。って自画自賛。
背丈はそれほど高くない。
そりゃそうだ。
まだ10歳だ。
10歳ーーー
今までの10年間がよぎる。
それとともに・・・
「俺」が生きた二四年間もよぎっていく、
日本で生きた・・・あの日々。
あぁ、そうか
「俺・・・死んだのか?
俺・・・生まれかわったのか・・・?」
この、『日本』とは違う、別の世界のーー「王子様」として。