王子は冒険者になる!
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・・・
僕の弟アレクが、
最近、よく、勉強しているらしい。
いや、勉強はいいことなんだけどね。
前はすこし、抜けたところのある
かわいい弟だったんだけどね。
まぁ、あいつも10歳だからな。
やっと「王子として」自覚したのかな。
僕の髪は真っ黒だ。
反対に弟であるフランチェスコは白に近い金髪。
本当に、同じ親から生まれたのか と聞きたくなるくらいの対照的な二人。
魔力に黒が混じるというのは
黒もちと呼ばれてはあまり
好かれてはいない。
闇と夜の魔力だからな。
圧倒的な魔力で破滅するか繁栄するか・・・
どちらに転ぶかわからないから
膨大な魔力に 崇められるとともに
恐れられる。
弟は光の魔力。
安定した魔力で暴発の心配もない。
まぁ、今は膨大な魔力を体に収めきれていない感があるが・・・
それでも彼を次代の王に、という声も多い。
弟は、かわいく思う。
「黒」というだけで、避けられていた僕を
唯一、まっすぐ見てくれる。
正直、僕か弟かどちらかを王にするかで
貴族連中に派閥があるが・・・弟と争う気はないな。
アイツがしっかり 学んで『王』になるというのなら
僕は全面的に支えるつもりだ。
いつ魔力を抑えきれなくなるかもしれない僕よりも、
フランのほうが・・・
国王である 父も、 母も、
忙しく、ただでさえ「黒もち」と言われる僕は
他で劣らないように
ただただ、努力を重ねた。
だから、評価はおおむね・・・
「優秀な、第一王子。黒もち、だけど。」
「・・・サントス。これを。」
はい、と 来月から通う学園の資料を青い髪をしたサントスに渡す。
この国では13歳になると
学園に通うことになるのだ。もちろん、僕だって例外ではない。
んーっと、伸びをしたところで
こんこん、と軽くノック。
「なんだ?」
僕の代わりに返事をして
扉の近くによるサントス。
なにかあったのか?
隙間が空いて、何事か話す。
・・・どうやら、
弟が 勉強を逃げ出したらしい。
はぁ。
最近 真面目にやってると思ったんだがな。
・・・
僕の弟アレクが、
最近、よく、勉強しているらしい。
いや、勉強はいいことなんだけどね。
前はすこし、抜けたところのある
かわいい弟だったんだけどね。
まぁ、あいつも10歳だからな。
やっと「王子として」自覚したのかな。
僕の髪は真っ黒だ。
反対に弟であるフランチェスコは白に近い金髪。
本当に、同じ親から生まれたのか と聞きたくなるくらいの対照的な二人。
魔力に黒が混じるというのは
黒もちと呼ばれてはあまり
好かれてはいない。
闇と夜の魔力だからな。
圧倒的な魔力で破滅するか繁栄するか・・・
どちらに転ぶかわからないから
膨大な魔力に 崇められるとともに
恐れられる。
弟は光の魔力。
安定した魔力で暴発の心配もない。
まぁ、今は膨大な魔力を体に収めきれていない感があるが・・・
それでも彼を次代の王に、という声も多い。
弟は、かわいく思う。
「黒」というだけで、避けられていた僕を
唯一、まっすぐ見てくれる。
正直、僕か弟かどちらかを王にするかで
貴族連中に派閥があるが・・・弟と争う気はないな。
アイツがしっかり 学んで『王』になるというのなら
僕は全面的に支えるつもりだ。
いつ魔力を抑えきれなくなるかもしれない僕よりも、
フランのほうが・・・
国王である 父も、 母も、
忙しく、ただでさえ「黒もち」と言われる僕は
他で劣らないように
ただただ、努力を重ねた。
だから、評価はおおむね・・・
「優秀な、第一王子。黒もち、だけど。」
「・・・サントス。これを。」
はい、と 来月から通う学園の資料を青い髪をしたサントスに渡す。
この国では13歳になると
学園に通うことになるのだ。もちろん、僕だって例外ではない。
んーっと、伸びをしたところで
こんこん、と軽くノック。
「なんだ?」
僕の代わりに返事をして
扉の近くによるサントス。
なにかあったのか?
隙間が空いて、何事か話す。
・・・どうやら、
弟が 勉強を逃げ出したらしい。
はぁ。
最近 真面目にやってると思ったんだがな。