王子は冒険者になる!
*
フランがいるところは見当がついている。
王宮の端の・・・海の見える・・・花壇。
フランは
いじけると、大体そこにいる。
海が好きなんだろうな。
ほら、いた。
「こんなところにいたのか?」
「う・・・わ。あ、アレク兄様。」
びっくりしたと、言って
フランは立ち上がった。
にこ。と笑う 弟は
本当に「光の王子」だな。
彼を「光」の魔力がふわっと包んで輝いて見せる。
ふと、彼の顔が険しくなって
「アレク兄様。
少し、お話いいデスカ?」
と聞いてきた。
え?
珍しいというか・・・
どうしたんだろう。初めてだな。
サントスに下がれ、といって
フランを見る。
なんだ?
何を考えているんだ?
「アレク兄様は秘密の会話をするための魔法とか使えますか?」
驚いた。
魔法に興味があるのか?そういえば、魔力を体外に出す授業をしているって言ってたな。
まぁ、使えるけど・・・
指から魔力を練って線状に放出。
二重丸を書いて中に『防音』と書いて魔力を注ぐと
ばりっ と乾いた音がして二人の周りは
音が聞こえなくなった。
「これで、いいけど。
なにか、聞かれたくない話?」
「えぇ・・・てか、
面倒だから、普通にしゃべるな。」
急に、言葉遣いが ラフになる。
え?
どうした?
突然 フランの変わった態度に驚きを隠せなかった。