王子は冒険者になる!

魔導師のじいちゃんは
やさしそうに、ふぉ、ふぉ。と笑って

「つまりな。
 みな、生活魔法として「光」は使える。
 いうなれば、「火」も使うし、「水」も使えるじゃろ?」
「まぁ。確かに。」
仕えなかったら、大変だ。
顔も洗えない。

「だから、それぞれの適応魔力っていうのは
 得意分野ってことだな。
 ほれ、わしは「緑」だから 風の魔法が得意じゃ。」

あぁ、たしか風系は魔力の制御や構築が得意だったな。
物理的に 飛んだりっていうのも、風だ。

「でも、わしの専門は『水の癒し』じゃよ。」
「え?」

水系はたしかに、回復や循環も得意だけど・・・
「頭でっかちじゃな。若いのに。
 王子、その魔法が得意だからって 別の種類の魔法が使えぬわけではない。
 いろんなことを学び
 いろんな分野を聞くことで、また己が高められるものなんだよ。」

「・・・なるほど。」

深いな・・・。
つまり、まんべんなく勉強せよってことか。


「でも、光と闇は特別、じゃ。
 王子は「光」をつかさどる魔法が使えるんじゃ。
 こればっかりは『適正』がないと使えない。」
「え? 光るだけなのに?」
「ふふふ。そうゆう認識なのじゃな?
 光は 極めれば すべてを払う、癒しの光となるのじゃよ?」

「・・・ん?
 回復・・・水の魔法に近い・・・ってことですか?」
「全然違う!
 光は、闇を照らす。
 闇を払うのじゃ。そして清め、癒す。
 分かるかのぉ?」
「えぇっと・・・」

つまり、医者?
それとも、聖なる・・・聖水的なやつ?
闇を払うって・・・勇者的な??

おぉ!冒険者向きじゃん!
やったー!

マジか!

清めて癒すってスゲーな。

「導師!がんばりましょう!
 僕は、最強の「光魔法」の使い手になります!!」
「うむ!よく言った!」

最強の、冒険者になれるかも!
ドラゴンに乗れるかな!

うわぁ。たのしみだー!!


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