恋のかたち。〜短編集〜
午後9時頃
家へ帰ると、リビングには柊羽と相原がいた。
「何、やってんの?」
「あ!真おかえり!」
「お邪魔している」
2人は当然のように、弟とゲームをしていた。
「あら、真。おかえりなさい」
状況が把握しきれていないまま、キッチンの方から母が出てきた。
「樹菜ちゃんとね、柊羽くんが、真に話あるって。7時ー、7時半くらいかな、に来たから、家に上がって待っててもらったのよ」
「俺は、申し訳ないと思ったんだが」
柊羽は本当に申し訳なさそうに言う。
「そんなの気にする間柄でもないでしょう?」
「詩織さんの言葉に甘えちゃった!」
相原は楽しそうだ。
「うん。わかった。とりあえず、相原と柊羽。俺の部屋に行こうか」
「おう」
「凛くんごめんね。また今度遊ぼうね」
小学2年生である弟の凛は少し寂しそうな顔していたが、しょうがない。
話というものを聞かなければ。
大方、2人が結ばれたということだろうが。
「真、ご飯は?」
「部屋で食べるかな。持ってくよ。柊羽たち先上がってて」
真は、母から夜ご飯を受け取ると、階段を上がった。