あなたと私と嘘と愛
それはうちへの荷物だった。
は?と驚きつつ、そもそも最上階のこのフロアにはうちの部屋しか存在しない。
だから何事かと宅配業者の人に声をかけると、ごく当たり前の返答が返ってきた。
「上条優斗様宛にお届け物です」
「………」
そしてせっせと運ばれていく。
私はおろおろと後ろを着いていき。
2人の人達は手慣れた手付きで玄関までたどり着くがとても重そうだ。
その中の1人の若いお兄さんが荷物を置いたあと、さっと私の方に顔を向けた。
「あ、ご家族の方ですか?」
「えっと…」
その手には伝票を持っている。
思わず返事をしようとして口ごもる。
かぞく、なのか?
家族なんだよね。一応…
まだ実感が沸かず渋い顔で返答に困るが、そこで玄関の扉が開いた。
「ーーああ、ご苦労様です。上条です」
そこへ助け船が現れた。
扉が開き荷物の依頼主本人が顔を出し、私と業者の間に割り込んでくる。