あなたと私と嘘と愛

「今よりエスカレートってどんな?」


想像するとゾッとする。
これ以上のことなんてあるのだろうか?
私の自由はもっと奪われてしまうのだろうか?


「そうならないようにここは一度ちゃんと話し合った方がいいってこと。恋人ならお互いの思いを伝え合うべきだよ。こんな関係長くは続かないよ」


そう言われ、私は苦い顔を向ける。


「…だよ、ね」


真由の言うとおりだ。
私の負担がどんどん増えていく。
このままだったら坂井さんへの思いがもっと嫌な方向へと転がり落ちてしまう。

ちょうどいいことに週末はクリスマスで坂井さんと会う約束をしている。
これ以上彼を嫌いになりたくない。

そうならないためにもちゃんと話さなきゃ。
自分の気持ちを伝えたいと思う。


それから私は空いた時間にラインを入れた。


「明後日はクリスマスですね。その時に少し話したいことがあります。いいですか?」

「いいよ。なんだろう?嬉しい話だといいな。クリスマス楽しみだね」

「……はい」


最後の返事は少し間が空いてしまった。
確かに半分は楽しみだ。だけど残りの半分は…

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