あなたと私と嘘と愛
「さぁ、入って」
やけに空気が重かった。
そして直感的にここは危険だと脳が警告を鳴らす。けど遅い。もう前に進むしかなくてー…
部屋に入った時、まず思考が停止した。
背中をそっと押され、暗かった視界がぱっと明るくなった瞬間絶句する。
「見てごらんここが僕のオアシスだよ」
「………」
すぐ視界に飛び込んできたもの。
私の顔が…
ポスターぐらいの大きさだろうか?その中に写ってるのはちょうど胸までの位置で切れた私の顔写真。それが正面の壁に目立つように貼ってある。
いつの間に撮ったのだろう。
しかもこんなに沢山の写真。
それ以外にもL版サイズの写真がずらり、壁一面に並べられている。
「綺麗に写ってるだろ」
「…っ……」
言葉をなくす。
どれもこれも私のもの。そのあまりの衝撃にその場で固まり動けなくなってしまう。