あなたと私と嘘と愛
それはテレビの通販とかで見かけるものだった。
ダンボールについてるロゴも有名な会社のもの。
そしてもう1つの機械はランニングマシーンというやつだ。
「ダイエットでもするんですか?」
「ダイエットというより筋トレ目的だけど」
「は?だったら別に下に行けばいいじゃないですか?一回のフロアにちゃんとしたジムありますよ?」
うちは高級マンションだ。
セレブ御用達の億ションと言われるもので、施設は充実してる。
中には有料のサービスもあるけれど、お金を出せばほぼ何でも揃っており、とても恵まれた環境だと思う。
「ちょっと体動かしたい時にわざわざ下に降りるのはめんどうでしょ」
「え、…まぁ……」
「仕事の合間の気分転換にやりたいだけだから。よかったら君も使う?」
「は?」
優斗が立ち上がって私を見た。
甘い顔をぶら下げて、相変わらず何を考えてるのか読めない表情で目を細めてくる。