あなたと私と嘘と愛
この人だったら的確のアドバイスをくれるのだろうか?
そう思う反面、驚く?それとも呆れる?
「ほらあなたは男を見る目がない」なんて言われそうでそれを考えたらぐっと口が閉じていく。
何となくバカにされそうな気がして変な意地が出てしまう。母に言う気にはなれなかった。
「変な勘繰りはやめてくれる?」
だけど、そうは言っても体は正直だ。
「し、心配しなくてももう帰るから」
そう言って立ち上がった時、思った以上に体に力が入らなかった。目の前がぐらりと揺らぎ、その場にしゃがみ込んでしまう。
「…亜香里?」
うずくまる私に母の驚くような声が…
そしてすぐ、大きめの足音が近付いてきて、そっと肩を掴まれた。
「大丈夫?」
優斗だった。
彼もまた驚いた声を落とし、私の様子を伺おうとしたけど、私がそれをやんわりと拒否をした。
「だ、大丈夫だから…」
自力で椅子に座り直し優斗と目が合いそうになり目をそらす。
だけどそれが余計2人の不信を与えたのかもしれない。
「優斗、悪いけどこのまま亜香里を自宅まで送ってくれる?」
「そうします」
結局私は優斗に送られることになり、渋々彼の車に乗ることになった。